薬事情報Q&A:副作用・相互作用

Q:チラミン含有食品と医薬品の相互作用について

チラミンを多く含む食品と一緒に服用すると発汗、動悸、頭痛、血圧上昇、悪心、吐き気等を起こす薬剤として、結核化学療法剤のイソニアジド(イスコチン等)やMAO阻害剤の塩酸セレギリン(エフピー錠)がある。イソニアジドはチラミンを活性化し作用を増強することがあると言われている。
チラミン含有食品としては、チーズ、赤ワイン、ビール、鶏・牛のレバー、バナナ、ニシン、ソラマメなどがある。

Q:ラニラピッド(日本ロシュ)と非ステロイド性鎮痛消炎剤の相互作用

ラニラピッド(ジゴキシン製剤)の添付文書には、併用に注意する薬剤として非ステロイド性鎮痛消炎剤(インドメタシン・ジクロフェナク・メチアジン酸等)が記載されている。非ステロイド性鎮痛消炎剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎排泄が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇するためである。薬理作用上避けることはできないので、医師への情報提供が必要となる。
なお、レリフェン(三和化学)にもプロスタグランジン合成阻害作用はあるが、添付文書に記載がないのは報告事例がないからである。

Q:ループス様症候群と原因となる薬剤について知りたい

薬剤が原因で全身性エリテマトーデスと似た症状が生じることがある。筋肉や関節が痛む、体や顔が赤くなる、赤い斑点ができる、発熱、手足や首の付け根のリンパ節が腫れるなどの症状がみられる。添付文書の副作用の記載に『ループス様症候群』とあるのは、5-ASA製剤のメサラジン、TNFα製剤のインフリキシマブ、高脂血症治療剤のプラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチン等。また、現段階では十分な情報ではないものの、チクロピジン(内科,88(1),2001)、ロサルタンカリウム、ゾニサミドで薬剤によるものと疑われる副作用の症例が報告されている(医薬品機構HPに症例掲載)。

Q:甘草の1日限度量と、偽アルドステロン症について

甘草による偽アルドステロン症(浮腫・高血圧・低カリウム血症等)の発生機序は、グリチルリチンの活性本体であるグリチルレチン酸のアルドステロン作用によるものである。甘草1g中にはグリチルリチンが約40mg含まれていると言われているが、1日の上限値はグリチルリチンとして300mg(甘草として7.5g)である。漢方薬に含まれている甘草の1日量はほとんどが3g以下なので問題になることは少ない。しかし、芍薬甘草湯は1日量に6g含まれており、人によりグリチルレチン酸の感受性も異なるので注意が必要である。また、漢方製剤には甘草配合のものが多く、合方されるとグリチルリチン酸の量が増加することもある。
高齢者の女性は副作用の頻度が特に高いといわれており、また、プレドニゾロン、利尿剤との併用では低カリウム血症を起こしやすいので注意する。過量投与に注意する生薬としては、甘草のほかに麻黄や附子等がある。

Q:2年間ルーランを1日3回服用しているが、その間、体重が10キロ増えた。副作用か?

多くの抗精神病薬に体重増加の副作用はあるが、ルーランの副作用には5%未満で体重増加が報告されている。特に非定型性抗精神病薬では重篤な副作用として体重増加を伴う高血糖による死亡例が報告されており、その順位はペロスピロン(ルーラン)<リスペリドン(リスパダール)<クエチアピン(セロクエル)<オランザピン(ジプレキサ)で著しい血糖値上昇に注意を要すると考えられている(現在では、これらの薬物は糖尿病または既往症のある患者等には慎重投与等になっている)。この副作用は抗セロトニン作用によるものと考えられている。
また、もともと食欲が落ち込んでいた人が、薬の作用により症状が軽快し、食べられるようになることもあり、その場合は運動療法や食事療法で体重管理するように指導する。最近、ペットボトル症候群として過量な糖分摂取が問題となっているが、オランザピンとクエチアピン服用者や、他の抗精神病薬服用においても口渇の副作用を訴える患者のジュース類の多飲には注意する必要がある。
(参考)服薬指導Q&Aシリーズ「精神科領域」医薬ジャーナル社

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